あら不思議/犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法6

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この子は腹水が溜まるタイプのIBD/炎症性腸疾患

当院にかかる前にも一度腹水が溜まっていて治療した経緯があるそうなので、2回目になります。

免疫抑制剤を使うと下痢となり、下痢を止めるために免疫抑制剤を使って下痢になるなら本末転倒なので、辞めてもらい、快方に向かいました。

いつものように手づくりご飯とサプリメントを与えてもらい、今ではステロイドもやめてサプリメントだけにしています。

 

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お腹もへこみ、安心したところです。

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アルブミンもそうですが、常々コレステロールが重要だと考えています。

コレステロールが低いとき、低脂質であるササミ以外食べると調子悪くしてたのに

コレステロールが少し上がってくると、今ではモモ肉や胸肉、鶏ひき肉など、脂質が食べれるようになりました。

 

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ヒトのIBDには、クローン病と潰瘍性大腸炎があり

遺伝や環境、腸内細菌の異常を起こし免疫異常が起こり発症することがわかってきました。

このため発症すると長期間の治療が必要な慢性の病気です。

治療はステロイドが効かない場合、免疫抑制剤、免疫調整剤も必要だとされているようです。

 

ヒトのIBDのように免疫異常が原因となっている場合

免疫抑制剤やステロイドなしに、食事やサプリメントを変えただけで治るわけないと思います。

一方、犬ではそんなことで治ることが多いのも事実です。

 

そもそも、犬のIBDとヒトのIBDでは病気そのものが違うことが多いと考えています。

 

 

 

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犬の病理学(肉眼や顕微鏡で見て診断する学問)でも、ヒトのクローン病や潰瘍性大腸炎と違い

 

 

リンパ球・形質細胞性腸炎→慢性的な刺激がある腸炎。

リンパ管拡張→リンパ管が拡張している。

 

という曖昧な所見を示している状況です。

 

当院で治療していても、

サルモネラや芽胞菌、腸管コロナウイルスなどの病原菌が居ついていて、慢性腸炎になっている場合。

ただ単に消化しにくいものをずっと食べていて慢性腸炎を起こしている場合。

普段使っている予防薬が消化能力を落とし続けて慢性腸炎となっている場合。

など、これらはまとめて同じIBDの病理所見となり、同じように低アルブミン血症がおこるので、IBD/炎症性腸疾患がゴミ箱みたいな診断となっているように感じています。

 

病理学は検査時点の所見を表すもので、原因論を把握する検査ではありません。だから注意が必要です。

原因論は臨床家が考えることだと思いながら診療しています。

下痢や炎症性腸疾患についてYouTube動画も作成しております。
下記に張り付けていますので、よろしければご視聴ください。

 

 

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法1

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法2

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法3

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法4

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法5

犬の炎症性腸疾患/IBDの栄養療法6

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