当院で実施する栄養療法は血液検査が用いられます。
肝数値があまりにも低い子はビタミンB群が不足。アルブミンやBUNが低い子はタンパク質が不足。コレステロール値が低い子は脂質やタンパク質が不足。
その他、様々な手法でミネラルや脂溶性ビタミンの不足を判断します。
不足分を補うことで、指間炎や外耳炎や涙焼けをはじめ、様々な病の治療。体の炎症や酸化ストレス、糖化ストレスを最小限にして予防医療を行います。

今回は、そのうちの亜鉛について

うえの点図は当院で検査した子の年齢と亜鉛濃度を比べたものです。
ほとんどの子が若い年齢も含めて、参考基準範囲の下の方か、参考基準範囲を飛びぬけて低い数値を示しています。
検査した子は、胃腸炎を繰り返してたり、外耳炎になりやすかったり、涙焼けがひどかったり、アレルギー体質など「病気がち」な子です。
亜鉛は体中で、多くの体の働きに関与しているため、長期間不足していると、慢性炎症や活性酸素を対処できず、ガンや腎不全になりやすかったり、糖化ストレスを対処できず、白内障や弁膜症になりやすくなったりと考えられます。
そう考えると、犬で多い病気のほとんどに亜鉛が関係していて、犬のほとんどが亜鉛不足を患っているため、
犬の病気の本質は亜鉛にあるのかもしれません。
と、思う今日この頃です。